ICE アイ・シー エンジニアリング株式会社

Project Episode 「開拓者」たちのプロジェクト

Project Episode 03 自動車工場の建設(サウジアラビア)

2012年4月、初めてのサウジアラビア出張。
「飛行機が高度を落としていくと、窓から見える景色は一面に広がる砂漠のみでした。 正直、カルチャーショックを感じました。 これまで出張や旅行等で訪問した東南アジアやアメリカ等の国々とは全く異なる世界に来てしまったという印象でした。 (※1)訪問したサイト(工場の建設予定地)は、当時まだ砂地の状態であったが、 今まで図面上でしか見ていなかった工場のイメージが、立体的に目の前に広がり、 あと8か月後には、この地に自動車の生産ラインが出来上がることに様々なイメージが湧きました。 初回の周長約1週間を終え無事に帰国しました。
日本、サウジアラビア間の“国家プロジェクト”
当時アサインされていたのは、サウジアラビアに日本の商用車メーカーのノックダウン(※2)工場を建設するプロジェクトでした。 サウジアラビア政府が日本側に働きかけて実現した計画、いわゆる“国家プロジェクト”です。 同国ではこれまで自動車が国内生産されたことがなく、プロジェクトに関わる者全てにとって未知の経験でした。 そのような背景もあり、海外での工場立ち上げ経験の豊富なアイ・シー・エンジニアリングに顧客から声が掛かったのでした。
製造業の下地のない国に、初めての自動車工場を作る
立ち上げ時は生産ボリュームも多くないことから、コンパクトな生産ラインというコンセプトで、 かつ多数の設備は日本国内で玉成してから現地に送るという計画にて進んでいました。
しかしながら、現地業者のレベルや物の入手性がわからず、見ず知らずの業者とコンタクトを取って情報を 収集したり、出張の際に街を歩き回って必要な工具類の目星をつけたりと、手探りで業務を進める場面も多々ありました。
やはり石油等の天然資源に依存している国であり、簡単に欲しいものが、求めるレベルで手に入るはずもなかったのでした。
少量の生産ラインとはいえ、新工場に必要な多数のアイテムの準備や、 日本とは制度や習慣も異なるサウジアラビアへの輸送の対応などに四苦八苦しつつも、 日本国内での業務を終え、8月から現地に約4か月間の工事出張となりました。
灼熱の世界での生活
現地では、サイト横の砂漠の中のプレハブオフィスにて執務した。 8月は気温50度に達する灼熱の環境で、酒も豚肉も口にできない、まさにイスラムの国。 また、業務に必要な道具やサイトオフィスに置く冷蔵庫に至るまで、 足りないものは自分たちで街に出かけて準備しなければなりません。
また設備業者の担当者は、インド人、パキスタン人(※3)。 一癖も二癖もあり、予定通り物事が進むことはまずありません。 担当する設備の工事が、計画されたイベントに間に合うかどうかとのときは、 食事も喉を通らないこともありました。
Made in Saudi Arabia
2012年12月、オープニングセレモニーが新工場内で開催され、サウジの商工大臣、日本の大使、企業の幹部等、多数の要人が出席された。 セレモニーの日、サウジアラビアのとある新聞の一面に載った見出しは 「”Made in Saudi Arabia” truck makes history」その新聞記事は、今でも自宅に保管してあります。

想いがカタチになる Idea to Reality

※1…日本人は、仕事や巡礼以外の観光でサウジアラビアに入国することはできず、気軽に旅できる国ではもちろん無いです。(そのような国を訪問できるのもこの仕事の面白さのひとつかと思います。)
※2…ノックダウン生産:他国や他企業で生産された製品の主要部品を輸入して、現地で組立・販売する方式
※3…インド、パキスタン、フィリピンなど他国からの労働者でこの国の経済が支えられている。サウジ人の雇用を進める政策も採られている(Saudization政策)